信じてもらえない話

神奈川県津久井城跡

ワンボックスに乗っていた私は休みを利用して車中泊を楽しんでいた。山中湖に向かう途中津久井湖畔公園で一泊しようと車を停めた。道路際に津久井城跡と看板が立っていた。夕方までまだ時間がある。

細い山道を登ると頂上は広場になっていて、石碑の近くのベンチに老婆が一人

(よくまあ登ってこれたなぁ)

すると老婆はやおら立ち上がり石碑脇おいてあった旗竿を掴むと振り回し「たけひこー」と叫び、俺の方に向かってくるではないか。

えっ

うわー

尻餅をつきそうになりながら後退し一目散に山を下りた。

やっとのおもいで車にたどり着く。あれはなんたったんだ。

誰かと間違えたに違いない。それにしても・・夕食も食欲がわかず酒を飲み寝てしまった。

夜中にオシッコで起きトイレに行こうと車のドアを開けようとしたら窓に老婆がベッタリ貼り付いて「ニャー」と笑った。

嫌な感触と匂いで目が覚めた。

洩らしていた。

昨日のことがよみがえったが、夢だったんだ、夢に違いないと無理やり自分を納得させながら着替えを持ちトイレに。

済ませかえってくると車の窓に両手の跡がくっきり残っていた。俺は夢中で車を走らせ洗車場に行き、洗い終わると何処にも寄らずそのまま家に帰った。

 

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