中学生の頃だった。父に叱られ深夜家を飛び出した。街灯もない暗い夜道を恐さも感じず泣きながら歩いた。
ようやく涙も渇き心細くなってきなころ、隣街の灯りが見えてきた。
ホッとして駆け出したそのとき、道の真ん中で五人の子供達が手を繋ぎ輪になり、♪カゴメカゴメ♪を歌いながら回ってる。何故か真ん中に着物姿のお婆さんが顔を両手でおおいしゃがんでる。
子供達とお婆さんがいるそこだけ光が輪になって、スポットライトみたい照らしていた。
人に会えた安堵で近づくと、光の中の子供達とお婆さんは遠ざかり、追いかけると遠ざかる。
何度か繰り返すとしゃがんでいたお婆さんがスーっと立ち上がり僕を見た。
怖くなった僕は近くの民家の脇にある納屋に入り、積まれてる藁に潜りこんだ。
しばらくそうしていただろうか、そしてさっき見た光景は幻覚だったと無理やり自分に言い聞かせ、潜り込んでいた藁から抜け出し恐る恐る板の隙間から覗く。
と、
しゃがんでいたお婆さんが壁板の向こうに立っていた。
「ギギ・・・」
声も出ず恐怖で固まった僕は・・・